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反転と再生のものがたり『リバース&リバース』/奥田亜希子【感想・紹介】

リバース&リバース 読書
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奥田亜希子さんの『リバース&リバース』を紹介します。

星評価

テーマがおもしろい 3.0
構成がおもしろい 2.0
伏線が散りばめられている3.0


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【1行あらすじ】リバース&リバース(著者 奥田亜希子)

タイトル:『リバース&リバース』

著者:奥田亜希子

あらすじ:ティーン雑誌で<ハートの保健室>という読者のお悩み相談コーナーも担当している編集者の菊池と、その雑誌の読者で中学生活が転校生の登場により変化していく郁美のReverse×Rebirthの物語。

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【こんな人におすすめ】リバース&リバース(著者 奥田亜希子)

この本は下記のような人におすすめです。

おすすめ

・後悔していることがある人
・読書が好きな人

改めて自分の行動を見直すことができる小説だと思います。人間関係で後悔していることがある人や悩んでいる人にはオススメです。
構成が面白いので、読書が好きな人に読んでほしい一冊です。

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【感想】リバース&リバース(著者 奥田亜希子)

2つの視点から描かれるストーリー

田舎の商店

この小説は2つの視点から描かれています。
1つ目は、ティーン雑誌『Can・Day!』の編集者で<ハートの保健室>という読者のお悩み相談コーナーも担当している”ろく兄”こと菊池禄の視点です。

2つ目は、おばあちゃんが営む小さな商店を手伝い、弟の面倒も見ながら暮らす地方の中学生、郁美の視点です。

小説の導入部では唐突に視点が切り替わるため、正直なところ話の流れが分かりにくいです・・。
雑誌の編集者と地方で暮らす中学生という、接点が生まれなさそうな2つの視点でストーリーが進んでいく点も別々の小説を読んでいる感覚になり、この小説は一体どこに着地するのだろうと思いながら読み進めました。
しかしその構成が、後半まで読み進めるとあれは伏線だったのか!という気づきに繋がります。
そしてこの結末を描きたかったために、この構成になったのだろうと思うことができました。

複雑な構成のなかで散りばめられる伏線、最後まで読んでこそ分かるストーリー

反転と再生のストーリー

観覧車

タイトルの『リバース&リバース」』は、Reverse(反転)とRebirth(再生、生まれ変わり)の意味です。作中の菊池と学生アルバイトの仁木の会話で説明されています。

「あ、いや、反転することと生まれ変わりは、カタカナで書くと同じになるんだな、と思って」

奥田亜希子『リバース&リバース』株式会社新潮社(令和3年4月1日発行)p151

まさにこの反転と再生がテーマとして描かれた小説でした。

あのときは自分が苦しい、辛い立場だったけど、立場や状況が変われば反対に自分が辛い思いをさせてしまっている。
価値観の違いや真正面から人と向かい合うことは難しいなと感じる小説でした。

否定することと否定されること、どちらの立場にも成ることがあるということに気づかせてくれる小説

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