濱野京子さんの『トーキョー・クロスロード』を紹介します。
【1行あらすじ】トーキョー・クロスロード(著者 濱野京子)
タイトル:『トーキョー・クロスロード』
著者:濱野京子
あらすじ:委員長気質なモリがクラスメイトと関わりながら自分自身の気持ちに向き合っていく青春小説。
【感想】トーキョー・クロスロード(著者 濱野京子)
秘密の趣味
級友たちが見たら目を丸くするだろう。たぶん、休日の私は、きびきびとした頼りがいのあるヤツではないから。ジャケットのポケットに手をつっこんで、てれてれと歩いている。
濱野京子『トーキョー・クロスロード』株式会社ポプラ社(2010年発行)p13
主人公のモリ(森下栞)は、休日にダーツで当たった山手線の駅に降りて写真を撮ることが趣味です。
誰も私のことを知らないという状況を楽しんでいるようにも感じますが、
モリにとってはそれだけではなく、ある意味自分と向き合う時間だったのだろうと思います。
モリはある出来事をきっかけにこの秘密の趣味をはじめます。
きっかけが更なる偶然を呼び、このお話は進んでいきます。
知らない町を歩くのって楽しいですよね。
一人で歩くのも、仲間と一緒に歩くのも私は好きです。
目的をもって歩くのも良いですが、たまにはふら~と散策したいなと思います。
月にこがれる
主人公のモリ(森下栞)は秘密の趣味の最中に、中学時代の同級生月島耕也と偶然出会います。
モリと月島耕也との中学生時代のエピソードを読んだとき、
この男(月島耕也)とんでもないやつだなと(笑)
モリの許可もありましたが、いやでもその関係でその行動を取る月島耕也はなかなかのやつだと思いました。
この最初の印象は正直最後まで変わりません(;’∀’)
中学卒業後はもう会えないと思っていた相手。
だからこそずっと忘れられないで焦がれている・・・。
そんな相手と偶然再会し、連絡を取るようになります。
それでも、モリはモリで変わらないんですよね。
月の満ち欠けと、昔の歌と、名前にかけて、
モリの心情を表現している文章がとても素敵なので読んでいただきたいです。
個性豊かなクラスメイト
モリのクラスメイトとして個性豊かなメンバーが登場します。
・坂上亜子…モリの友達。美少女。
・中井美波…モリの友達。典型的な理系で弁がたつ。
・河田貴子…2年休学していたためモリより2歳年上のクラスメイト。
クラスでは少し浮いている。
・青山麟太郎…モリの隣の席の男子。貴子と同じく2年留年している。
ジャズバーでサックスを吹いている。
モリはクラスメイトと関わりながら、自分自身の気持ちに向かい合っていきます。
文化祭の後でとある企画をするお話があるのですが、青春という感じでとても素敵です。
【こんな人におすすめ】トーキョー・クロスロード(著者 濱野京子)
この本は下記のような人におすすめです。
・学校生活や青春がテーマの小説が好きな人
・一気に最後まで読みたい人
・恋愛要素ありのお話を楽しみたい人
この本は、最初から最後まで一気に読めます。
2時間ドラマのようにお話しが進むので、読書が苦手な人でも読みやすい作品だと思います。
ラストは疾走感に溢れていて、その後も想像したくなる素敵な作品です。
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