出てくる本も紹介『本屋さんのダイアナ』あらすじ・感想

柚木麻子さんの『本屋さんのダイアナ』を紹介します。

【あらすじ】本屋さんのダイアナ（著者　柚木麻子）

自分の名前にコンプレックスを持ち、キャバクラで働く母親と2人暮らしで本を読むことが好きな大穴（ダイアナ）と出版社で働く父と料理教室を開く母を持つ優等生の彩子。2人は小学校で同じクラスになり、本がきっかけで仲良くなる。お互いの家庭環境に憧れを抱く2人は親友となるが、行き違いがあり疎遠となってしまう。2人の少女が成長していく姿を描いた少女小説。

【こんな人におすすめ】本屋さんのダイアナ（著者　柚木麻子）

この本は下記のような人におすすめです。

ダイアナと彩子の2人の少女（女性）が主人公の小説です。少女小説、ガール・ミーツ・ガールをテーマとした作品が読みたい人にオススメです。好きなことが一緒な友達って良いなと思わせてくれる小説です。

また、自分の人生と向き合いたい、人生に迷っている人にも生きるヒントをくれるような小説です。ただの少女小説と思うことなかれ！人生を考えさせられる小説となっています。

【感想】本屋さんのダイアナ（著者　柚木麻子）

呪いを解こうとする2人の少女

『本屋さんのダイアナ』は、ダイアナと彩子の2人の少女（女性）が主人公で、小学生のときに同じクラスとなって友達になってから2人が就職するまでの姿を2人の視点で描いた小説です。

ダイアナは彩子の、出版社で働く父と自宅に綺麗で優しい母親が居て、私立の女子中学校に進めるという家庭環境に憧れていてます。
反対に彩子はダイアナのキラキラした友達のような母親がいることや、お小遣いで自由にご飯を買って食べたり、ゲームで遊べる家庭環境に憧れています。

どちらの家庭が理想かといえば、将来的なことを考えると彩子の家庭環境の方が理想的かなと思いました。彩子の家庭環境で育つ方が選択肢が広がると思うからです。
でも彩子は彩子で悩みを抱えています。

この小説を読むと、人にはその人の人生の中でその人なりの辛さがあるということに気づかされます。色んな思いを抱えて生きている人がいるということを改めて気づかされました。

自分の人生に埋もれていきそうなダイアナと彩子ですが、お互いが知らないところで影響し合い、自分の環境を見つめ自分の人生と向かい合っていきます。まるで2人が読んで憧れていた『秘密の森のダイアナ』の小説の主人公のように、呪いを解こうとしていきます。

理想と現実を知り、受け入れてどう生きるか。なかなか難しいことを考えさせてくる小説だなと思いました。

『本屋さんのダイアナ』に出てくる小説

『本屋さんのダイアナ』では実際に存在する小説が、主人公のダイアナや彩子が読んだ小説として多く登場します。

タイトル	著者
大草原の小さな家	ローラ・インガルス・ワイルダー
若草物語	ルイーザ・メイ・オルコット
赤毛のアン	ルーシー・モード・モンゴメリ
秘密の花園	フランシス・ホジソン・バーネット
おちゃめなふたご	イーニッド・ブライトン
おてんばエリザベス	イーニッド・ブライトン
はりきりダレル	エニド・ブライトン
ライ麦畑でつかまえて	ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー
カレンの日記	ジュディ・ブルーム
神さま、わたしマーガレットです	ジュディ・ブルーム
私の美の世界	森茉莉
風と共に去りぬ	マーガレット・ミッチェル
嵐が丘	エミリー・ブロンテ
ジェーン・エア	シャーロット・ブロンテ
ボヴァリー夫人	ギュスターヴ・フローベール
悲しみよ　こんにちは	フランソワーズ・サガン
危険な関係	ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ
長くつ下のピッピ	アストリッド・リンドグレーン
女の一生	森本薫
げんきなマドレーヌ	ルドウィッヒ・ベーメルマンス
大きな森の小さな家	ローラ・インガルス・ワイルダー
怪人二十面相	江戸川乱歩
ナルニア国物語	C.S.ルイス
メアリー・ポピンズ	P.L.トラヴァース
父の詫び状	向田邦子
小公子	フランシス・ホジソン・バーネット
幻の朱い実	石井桃子
孤独の発明	ポール・オースター
ローカル・ガールズ	アリス・ホフマン
舞姫	森鷗外
ヰタ・セクスアリス	森鷗外
枯葉の寝床	森茉莉
アリーテ姫の冒険	ダイアナコールス
リンバロストの乙女	ジーン・ポーター
長い冬	ローラ・インガルス・ワイルダー
さよなら、「いい子」の魔法	ゲイル・カーソン・レヴィン
丘の家のジェーン	L.Mモンゴメリ

【PickUp】『本屋さんのダイアナ』を読んだ人にオススメの小説