砥上裕將さんの『線は、僕を描く』は、新しいことをはじめたい人におすすめな小説だと私は思います。
この小説が気になっている人に、なぜ新しいことをはじめたい人におすすめな小説だと思うのか、その理由をお伝えいたします。あらすじ、実際に読んだ感想と『線は、僕を描く』に興味がある人におすすめな他の作品も紹介します。
気になった人は是非手に取って読んでみてください。
ストーリーが感動する
寂しさと希望を感じる
主人公が成長していく小説
【あらすじ】線は、僕を描く(著者 砥上裕將)
両親を事故で失い、心の内にあるガラス部屋に閉じこもったような状態で流されるままエスカレーター式の大学へ進学した青山霜介。進学後も閉じこもり意思なく流されるような日々は続いていたが、友人の古前くんの頼みで行った展覧会の設営のバイトで親しみやすい老人に出会う。その老人は水墨画家で日本を代表する芸術家の篠田湖山先生だった。気づいたら湖山先生の孫の千瑛と水墨画の賞をかけて勝負をすることに―。
【こんな人におすすめ】線は、僕を描く(著者 砥上裕將)
・新しいことをはじめたい人
・水墨画に興味がある人
『線は、僕を描く』は、新しいことをはじめたい人におすすめな小説だと思います。自分の殻に閉じこもった青年・青山霜介は湖山先生にやってみることが目的と後押しされ、流されるように水墨画をはじめます。そこから徐々に水墨画にハマっていく姿を読んで、できなくてもとりあえず挑戦してみようという気持ちになれると私は思いました。
また、水墨画のことを知りたい、興味がある人にもおすすめです。著者の砥上裕將さんが水墨画家とのことで水墨画の描写がとても詳しく書いてあります。水墨画とはこのようにに観るんだ、このように書くんだということが分かる小説でした。
【感想】線は、僕を描く(著者 砥上裕將)
水墨画を知る
水墨画を見たことはありますでしょうか?私は美術展で展示されているのを見たことはありますが、大変失礼ながらほぼ素通りしていました。モチーフがはっきり描かれているものもあれば概念的な絵も多いような気がして、水墨画を知らない身としては距離がある世界でした。
『線は、僕を描く』を読んで私がまずしたことは、水墨画を検索することです。誰かの作品を見ることができ、こんな作品があるんだなと知ることが出来ました。小説の中で、水墨画とは心の内側の宇宙であり、命であり、変化していく瞬間であると書かれています。水墨画を実際にじっくり鑑賞して宇宙、命、瞬間を感じてみたいと思いました。
この小説の目的が水墨画を知ってもらうことであったならば、大成功だったと思います。ストーリー自体も主人公が成長していく王道ストーリーで面白く、漫画化、映画化もされています。
「真面目なことは自然ではない」
『線は、僕を描く』を読んで心に引っかかっている湖山先生の言葉があります。
「いや、まじめというのはね、悪くないけれど、少なくとも自然じゃない」
砥上裕將『線は、僕を描く』株式会社講談社(2019年7月3日 第一刷発行)p66
主人公の青山くんのまじめなことは良くないですかという問いに対する、湖山先生の答えです。
水墨画を教えている中での問答なのですが、「自然じゃない」のかと…思いました。まじめであることに対して良い、悪いと言う、言われることはあるかと思うのですが、自然、不自然という概念で考えたことがなかったので衝撃でした。
では私自身、まじめは自然ではないと思うのかというと、答えを出せず…引っ掛かりを覚えているという状況です。この言葉はこれからの私の人生で頭をよぎることになる言葉になりそうだなと思いました。
【まとめ】線は、僕を描く(著者 砥上裕將)
『線は、僕を描く』は新しいことをはじめたい人におすすめな小説だと思いました。また、水墨画のことを知りたい、興味がある人にもおすすめです。
『線は、僕を描く』を読んで、また、この記事を読んでいただけて、水墨画のことをもっと知りたいと思ったら、まずは「水墨画」でGoogle等で検索してみると良いかもしれません。Web上でも作品に出会うことができます。
『線は、僕を描く』では主人公の青山くんが水墨画を通して成長していく王道ストーリーです。青山くんと湖山先生の孫の千瑛との賞をかけた勝負の行方がどうなるか、気になる人はぜひ手に取って読んでみてください。
【PickUp】『線は、僕を描く』に興味がある人におすすめの小説
『線は、僕を描く』に興味がある人におすすめな他の小説は下記です。こちらも読んでみてください。
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