畑野智美さんの『神様を待っている』は女性の貧困問題がテーマとなっている小説です。
他力本願で恐縮ですが手を差し伸べることができる人に届いてほしい小説だと思いました。
同時に、誰かにオススメしたい小説というよりはみなさんに知ってほしい小説だと思いました。
『神様を待っている』のあらすじ、手を差し伸べることができる人に届いてほしい、みなさんに知ってほしい小説と思った理由、読んだ感想、オススメな他の小説も紹介します。
社会問題を取り上げている
リアリティがある
【あらすじ】神様を待っている(著者 畑野智美)
大学を卒業し、派遣社員として働く26歳の水越愛。派遣期間終了後は正社員になれるものと思っていたが、業績悪化が理由で正社員になれず契約終了となってしまった。正社員の仕事を探すも見つからない。当面の生活費のためアルバイトや派遣で働こうと面接に行くも受からない。貯金が少なくなり、住んでいたアパートを解約し漫画喫茶で寝泊まりすることに。日雇いの仕事で貯金しようとするものの、なかなか貯まらない日々を過ごしていたところ、同じ漫画喫茶で寝泊まりしていたマユに声をかけられる。マユは出会い喫茶で茶飲みをして稼いでいて…。
【みなさんに知ってほしい】神様を待っている(著者 畑野智美)
・手を差し伸べることができる人に届いてほしい小説
・みなさんに知ってほしい小説
『神様を待っている』は、女性の貧困問題がテーマとなっている小説です。
自分で自分の境遇をどうすることもできなくなってしまった人たちが描かれています。
4年制大学を卒業しても就職ができない、就職できても思うような給料を得られない、奨学金の返済に追われている、貧困を抱えるシングルマザーやファザー、神待ちをする少女…実際にニュースでも取り上げられている社会問題です。
貧困を抱えている人たちは様々な事情を抱えています。貧困を抱える人たちに向き合う覚悟がある人、手を差し伸べることができる人に届いてほしい小説です。
またこのような生活をしている人たちがいることを知っていてほしいという思いから、みなさんに読んでほしい、知ってほしいと思う小説です。
【感想】神様を待っている(著者 畑野智美)
女性の貧困問題がテーマ
- 26歳
- 4年制大学卒業
- 在学中に就職活動が上手くいかなかった
- 3年間派遣社員として働くも、正社員になれず雇用終了
- 頼れる家族、親戚がいない
上記は主人公の愛の略歴です。
個人的には親近感を覚える設定で、普通によくいる女性というイメージだと思いました。
愛は派遣社員の契約が切れたタイミングで正社員の仕事を探すものの上手くいきません。
当面の生活費を稼ぐためのアルバイトや派遣の仕事も見つからず、体調を崩した影響で貯金が少なくなりアパートを解約します。
たった数ヶ月で住む場所まで失ってしまう。。
衝撃でした。
しかも自分にも起こり得る可能性があることを考えると自分だったらどうするかを考えさせられるストーリーでした。
正直なところ、愛に限り言及するのであれば、雇用終了のタイミングで別の派遣先を探してもらうことが良かったのではと思ってしまいます。まだ26歳だよ!と言いたいです。
助けてほしいと言える人がいなかったことも愛に於いては辛い部分でした。
『神様を待っている』では、出会い喫茶で働くシングルマザーや神待ちをする少女等も登場します。いずれも自分で自分の境遇をどうすることもできない人たちです。このような人たちが存在していることを訴えてくる小説でした。
非情さを感じる
『神様を待っている』を読んで私が感じたことは私には何もできないということでした。
無力ではなく、非情です。
ただ、他力本願で恐縮ですが、手を差し伸べることができる人にこの小説が届いてほしいと思います。
また、『神様を待っている』を読んで、辛いけど自分は登場人物たちよりはマシなんだと思ってしまうことは「違う」とだけ言いたいです。辛さは人と比べるものではなく、感じ方は1人1人違うものだと思うからです。
【まとめ】神様を待っている(著者 畑野智美)
『神様を待っている』は手を差し伸べることができる人に届いてほしい小説だと思いました。
同時に、『神様を待っている』に描かれているような貧困問題を抱えている人がいることを読んで知ってほしいと思いました。
フィクション作品ですが、ノンフィクションだと思うくらいリアリティのある小説です。是非読んでみてください。
【PickUp】『神様を待っている』に興味がある人におすすめの小説
『神様を待っている』に興味がある人におすすめな他の小説は下記です。こちらも読んでみてください。
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