歌田年さんの「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」は、変わった視点からのミステリー小説を読みたい人にオススメの小説だと私は思います。
この小説が気になっている人に、なぜ変わった視点からのミステリー小説を読みたい人にオススメか、その理由をお伝えいたします。あらすじ、実際に読んだ感想と『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』に興味がある人におすすめな他の作品も紹介します。
気になった人は是非、手に取って読んでみてください。
読みやすい
装丁へのこだわり
構成が面白い
【あらすじ】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人(著者 歌田年)
西洋紙の鑑定や販売代理業を行う「紙」鑑定事務所を営む渡部のところに、紙鑑定を神探偵と間違ってお客さんが訪れる。
同棲している彼氏の浮気を疑い、彼氏が突然作り始めた戦車のプラモデルを鑑定してほしいと依頼され受けることに。
プラモデルに詳しくない渡部は”伝説のモデラ―”土生井に話を聞きに行く。
浮気調査完了後、新たな依頼が舞い込み…。
「行方不明の妹の部屋にあった、家のジオラマを鑑定し手がかりを見つけてほしい」
紙鑑定士×伝説のモデラ―が謎を追うミステリー小説。
【こんな人におすすめ】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人(著者 歌田年)
・変わった視点からのミステリー小説を読みたい人
・ヘビーなミステリー小説を読みたい人
紙に詳しい人とプラモデルに詳しい人が協力して謎を追うストーリーです。探偵や警察目線のミステリー小説に飽きた人、いつもと違った視点からのミステリー小説が読みたい人にオススメです。
読み始めは、日常の謎を追うストーリーなのかな?と思いましたが、読み進めると「模型の家の殺人」という副題の通り、重い事件を取り扱ったミステリー小説です。
一風変わった、でもヘビーなミステリー小説を読みたい人にはオススメな作品です。
【感想】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人(著者 歌田年)
紙鑑定士×伝説のモデラ―のタッグ
「紙鑑定士ってなんだろう…」
「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」を手に取り一番最初に思ったことは、紙鑑定士という聞きなれない単語に対する疑問です。
主人公の渡部が営む紙鑑定事務所とは、紙を調べてどの銘柄の紙が使われているか鑑定したり、予算に合わせて紙を提案、販売をする事務所と作中で説明されています。
「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」を読むと、紙に対する細かな説明が登場し、紙ってこんなに種類があるんだと知ることができます。
しかし…主人公の渡部は個人で事務所を経営しているのですが、個人で紙の仕事ってそんなにあるのかな~と思ってしまいました(;’∀’)
だからこそ、探偵業のような副業ができるのだと思うのですが、なかなか凄い設定です。
ホームズにワトソンがいるように、依頼の調査をするにあたり渡部にも相棒がいます。
それが”伝説のモデラ―”土生井(はぶい)です。
土生井はかつては模型雑誌等で活躍していたプラモデルを作るプロモデラーでしたが業界に干されてしまい、今は時給換算で200円のメーカー依頼のプラモデルを作る仕事をしています。
渡部が持ち込んだ模型を土生井が見て、分かった情報から更に渡部が足を運んだりコネクションで更に情報を引き出したりして謎を追うというストーリーになっています。
紙だけではなく、ジオラマ(プラモデル)についても細かな説明が登場します。
紙鑑定士とプロモデラーというミステリー小説の謎を解く側では例に見ない組み合わせが新鮮でした。
土生井が終始落ち着いてアドバイスをしている姿が個人的に好きでした。
装丁へのこだわり
「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」の単行本には、本の各部の名称と使用されている用紙が紹介されています。
作中に登場する用紙も使用されているので、実際に触ることができます。
なかでも本文用紙は4種類の紙が使用されていて、正直なところ言われないと気づけないけど、言われてみれば確かに色味など違うことに気づきとても興味深かったです。
著者のこだわりを装丁に感じ、とても良かったです。
【まとめ】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人(著者 歌田年)
「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」は変わった視点からのミステリー小説を読みたい人にオススメの小説です。
ミステリー小説好きな人にはぜひ手に取っていただきたい作品です。
シリーズ化されていて、2作目「紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪」、3作目「紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と」も発売中です。
【PickUp】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人(著者 歌田年)
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